越後三山 グシガハナ(1811m) 2016年6月11日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:14 越後三山森林公園−−4:34 オツルミズ沢−−4:51 ブナツルネ沢−−4:59 登山口−−7:55 グシガハナ(休憩) 8:48−−9:57 登山口(廃林道)−−10:02 ブナツルネ沢(休憩) 10:11−−10:28 オツルミズ沢−−10:46 越後三山森林公園

場所新潟県南魚沼市
年月日2016年6月11日 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場越後三山森林公園に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無基本的に無いが登山道がやや薄く足に触れる草木、笹はある
危険個所の有無危険と言うほどではないが急傾斜で木の根で滑りやすいので足元注意
山頂の展望邪魔するもの皆無で360度の大展望
GPSトラックログ
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コメント越後駒ヶ岳水無川ルートからグシガハナを往復。登山口の標高は約350mしかなく、この日は真夏の気温で汗だくになってしまった。下山直後のダニチェックで足に2匹食いつきかけているのを発見、たぶん廃林道歩きでくっついたのだろう




マイカーは舗装道路終点まで 林道が続くが普通車は無理
たぶんカグラ滝 オツルミズ沢
こんないい道もある(高倉沢出合付近) 草がはみ出した廃林道上の踏跡
水無川上で雪渓マークがある場所 ブナツルネ沢。ここで水を補給
登山口近くの岩穴 岩穴。入口まで草で覆われる
登山口 最初は涸れた沢を登る
標高750m地点。「二合目 雪見の松」 「二合目 雪見の松」は樹林が開ける
雪見の松から見た八海山
870m峰 1240m
八海山〜中ノ岳を結ぶ稜線の向こうに巻機山 1370mから見上げたグシガハナ
1420mから見た八海山〜中ノ岳
イワカガミがたくさん咲いていた 常に正面には太陽が眩しい
1510m。この辺から森林限界 小沢岳が見えてきた
1630mの岩場 1770m付近。最後の日陰
グシガハナ山頂 グシガハナから見た八海山
グシガハナからの360度パノラマ展望(クリックで拡大)
グシガハナから見た越後駒ヶ岳〜中ノ岳
下山開始。急な下りが続く 1510m肩。森林限界ギリギリ
1510m肩からグシガハナを振り返る 1510m肩を下った直後
1280mで樹林帯に入る 740m肩の文字が消えた標識
往路の廃林道 廃林道を見る
唯一の残雪個所 堰堤の横が林道崩壊個所
オツルミズ沢に軽トラがあった 駐車場所到着。暑かった!


 越後駒ヶ岳の枝尾根にはいくつもピークがあるが、南西側にあるのがグシガハナ。越後駒への一般的ルートである枝折峠からだと逆方向になるし、中ノ岳から主稜線を縦走する場合でも枝尾根を下ることになるので、通常は登られない山だろう。唯一、西側の水無川沿いから登るコースで通過するピークとなるが、このコースを使う人は多くはないだろう。何せ登山口の標高は約350mだから越後駒までの標高差は1700m近く、日帰りはもちろんきついが駒ノ小屋泊まりでも体力的にきついコースで人気が無いのが当然だろう。でも登山道があるだけで大助かりだ。もし登山道が無い場合、このエリアでこの高さなら激藪確実だからだ。

 実は今回はどこに登るか候補地が2箇所あった。もう一方は平ヶ岳の鷹ノ巣登山口から下台倉山に出て平ヶ岳とは逆方向の尾根を辿ったところにある鷹ノ巣山。藪漕ぎが必要だが短距離で済むので許容範囲と考えた。しかし登山口までの距離が長いのが難点で、長野から行く場合は銀山平経由になるが小出から2時間以上かかると予想される。到着時刻が早くなりそうならそちらに向かおうと思ったが、翌日になりそうな様相で睡眠時間が極端に短くなるため今回はグシガハナに決めたのだった。

 長野市から行くのであれば飯山、十日町経由が最短距離となり、大回りして高速道路を使うより時間もコストも節約できよう。カーナビのお告げで十日町から国道253号線八箇トンネルを抜けて六日町へ入った。水無川沿いに入る県道には「越後三山森林公園」の案内があった。この先はほぼ一本道で森林公園駐車に到着した。避難小屋があり広い駐車場があるが翌朝の登山者が夜中にやってきて安眠できない可能性もあり、入口から続くダートの道を進んで大きな堰堤横で仮眠した。その先も車道が続いていたが、駐車場から続く舗装道路がダートに変わると両側から盛大に草がはみ出しており、車の塗装に傷が付いても構わない人+車幅が狭い車でないと無理だろう。

 翌朝、3時半に起床して朝飯を食い4時過ぎに出発。既に周囲は明るくライト不要。ここからは駐車場が見えないので車の入り具合は不明だが、たぶん私がトップバッターだろう。今日も暑くなりそうで朝から気温は高めである。防寒具として出番があるか不明だが長袖シャツ、ゴア、ウィンドブレーカを持つ。そろそろ手袋は不要かなぁと思いつつ軍手を持っていく。

 はじめは林道歩き。草の中に轍があるので入ってくる車があるのは間違いないが、軽トラかジムニーだろう。朝露で湿った草が靴や足に触れて徐々に濡らすが、どうせ日中は暑くなって乾くだろうと構わず歩く。オツルミズ沢にかかるカグラ滝は遠目からも目立つ存在で迫力満点だ。オツルミズ沢は林道の橋で横断するが、沢が曲がっているのでここからカグラ滝を見ることはできない。

 水無川の両側は雪崩で磨かれた険しい岩壁帯が続く。水無川に流れ込む顕著な沢以外の小さな沢は滝の連続だ。そんな沢の一つで林道脇に残雪発見。おそらくデブリの名残だろう。雪の上には大量の枯草等が載っていて断熱材の役割を果たしているのだろう。今回のコースで雪を間近に見たのはここだけだった。

 ブナツルネ沢が最後の水補給場所なので水を500cc汲む。飲むだけではなく濡れタオルの給水用も兼ねる。気温上昇が確実で、特に帰りは汗だくになりそうなので濡れタオルは必須だ。休憩中に虫が寄ってくるのを防ぐためにも重要で、汗を拭ってから虫除けを塗るのが効果的だ。ついでにズボンのダニチェックをやると2匹が張り付いていた。先週よりは少ないが今週も登山道があってもダニのお出ましだ。イヤなシーズンになったものだ。

 この先はさらに草ぼうぼうで登山道なのかちょっと心配になるくらい。でも少し進むと石に黄色い文字で「←カミナリ大雨時に避難できる岩穴」と書かれていた。左手には草木に半分隠れた暗い穴が口を開けていて、ここがその石室のようだ。こんな案内があるのだから登山道に違いない。

 さらに少し進んで登山口に到着。地形図と違って尾根末端ではなくやや上流側から取り付くようになっていた。相変わらず道は草っぽく、最初は乾いた小さな沢が登山道なのでなおさら心配になるが、すぐに沢が終わって普通の登山道になり、これまでよりは明瞭化する。まあ、周囲が潅木藪なので当然といえば当然であるが。ここからが事実上の登山開始だ。

 先週の佐武流山と違って道のグレードは1段落ち、道はしっかりしているものの足元には微妙に草木が触る。まだ早朝で気温が上がっていないから長ズボンでいいものの、日が高くなって気温が上昇したら汗だくになりそうだ。先週の経験もあり怖いのはダニだ。ロングスパッツを持ってくればよかったと後悔。

 標高750mの小さな肩で「二合目 雪見の松」との文字が消えかけた古い標識が登場。松の木の先では樹林が開けて八海山が聳えていが、谷間の残雪もかなり少ない。

 標高870m峰では再び一時的に樹林が開ける。この標高では背の高いブナを中心とした自然林が覆い展望が無いが、今の時期は日差しを遮ってくれる方が有り難味を感じる。秋は素晴らしい紅葉だろう。

 標高1300mを越えると高い樹木は無くなって高さ2mくらいの矮小な潅木が尾根を覆う。登山道の切り開きがなければ藪漕ぎに苦労する場所だ。この高さの樹木だと上の方の視界が得られるようになるが、太陽の位置がちょうど進行方向真正面で眩しくて仕方ない。写真を撮ろうにも尾根スレスレが太陽の位置なので直射日光が入ってしまうのも障害だ。しかし東向きの尾根を登るよりはずっと涼しいだろう。足元にはイワカガミがたくさん咲いていた。

 標高1500m付近からは森林限界らしくなってくる。ただしアルプスの高山のように急激に植生が切り替わるわけではなく、潅木の高さが徐々に低くなっていくので気付かないうちに展望が大きく開けてくる。南側には中ノ岳がでかく、八海山につながる稜線の向こう側には利根水源山脈の山々だ。双耳峰のように見えるピークは左側が下津川山、右側が小沢岳だろう。その右手の一連のなだらかな山並みが巻機山に違いない。

 標高1630mでは露岩が登場。イヤらしい個所は真上を通過するのではなく右側を巻くようにルートが付いていた。朝露で濡れて滑りやすく少し緊張する場面だったが乾いていれば難しい場所ではない。

 既に森林限界を超えているので木の高さは低く石楠花屋コメツガも2mほどしかない。ここでは笹も背が低い。でも今は太陽はグシガハナの向こう側に隠れるようになって直射日光がささず涼しくていい。そもそも高度が上がって気温が下がっているので今は快適だが、下りの時刻には気温が上がってここも日陰が無くなっているだろう。

 ふいに傾斜が無くなり肩のような小ピークに到着、そこがグシガハナ山頂だった。山頂標識は無いが地形的には間違いない。これまで同様に森林限界を超えていて立木皆無で大展望。越後駒は目の前にあるのだが、中ノ岳から続く緩やかな尾根が手前に張り出して山頂を隠してしまっている。その右を見ると尖ったピークはいわずと知れた荒沢岳。でかい中ノ岳の残雪は少ないが、周囲の山と比べれば多い方か。八海山は未踏なのでそのうち登らなくてはいけないが、暑い時期に登るべき場所ではないので涼しくなった秋かな。空気の透明度はイマイチで巻機山より西側の山々は霞んで見えない。

 ここまで約4時間休憩無しで歩いてきたので休憩。日影が無く直射日光に晒されているが、標高は約1800mありまだ日はそれほど高くない時刻なので麦藁帽子を被っていれば暑さを感じるほどではない。しかしもうじき灼熱地獄になるだろう。本日の越後湯沢の予想最高気温は30℃とのことだ。せめて日影があればいいのだが、このエリアでこの高さは背の高い立ち木は皆無だ。日傘があった方がいいかなぁ。顔、腕、足の汗を濡れタオルでぬぐって虫除けを塗るが、登りの途中で既に足は2箇所ほど刺されてしまった。

 休憩中は誰も登ってくる人はいなかった。そもそもこのコースからどれだけの登山者が越後駒を目指すのかもよく分からないが。もしかしたら今日は私一人だけかもしれない。

 眺めも十分堪能したことだし下山開始。下り初めてすぐの個所に背の低いシラビソが道を覆い日陰のある所があって、涼しく休むならここが良かったかなぁとちょっと後悔。アルプス級の山でこの標高なら発達したシラビソ樹林だろうな。単独の男性が登ってきたが、私と違って越後駒まで登るのだろう。

 この尾根は傾斜がきついので下りは効率的だ。ただしまだ朝露で湿り気が多く、岩や木の根が良く滑る。すれ違った男性も私の目の前で滑ってコケていたくらいだい。こういう道の下りは通常より疲れるのだった。背の高い樹林帯まで下ればそんな道ともおさらばで歩きやすくなる。林道まではこのまま日影に入るので麦藁帽子はザックの後へ。直射日光から逃げられるのは有難いが高度が落ちて気温が上がり、下りなのに汗だくだ。こんな時は濡れタオルが大活躍する。

 傾斜がきつい尾根なので下りは速い。今回は1時間で高度差約1100mを下ることができたが、滑りやすさがなければもっと速かったと思う。しかし調子に乗りすぎたようで翌日は足が筋肉痛になった。これが残雪期の雪の下りなら足への負担が小さいのだが。

 廃林道に到着。ここからは開けた植生なので直射日光に晒されて歩くことになるので麦わら帽子の登場。ブナツルネ沢で水浴び。やはり汗を洗い流すのは爽快だ。ついでにダニチェックをおこなったが付いていなかった。

 林道歩きはアップダウンが無く、適度に風が吹き抜けて意外に快適だった。オツルミズ沢には白い軽トラが駐車してあった。やっぱりこの道で入ってくるといったら軽トラだろう。車の主は見当たらなかったが釣りだろうか。

 なおも林道歩きを続けるとヘルメットを被った10人弱の大パーティーとすれ違う。越後駒登山の雰囲気ではなく岩登りか沢登りに違いないが、荷物の量からして幕営だと思う。私の登山スタイルには岩登り、沢登りは含まれないのでこの界隈の状況も知らないが、今の時期なら沢登りなら涼しげでいいかな。

 駐車場に到着。車が何台もあるがすれ違った登山者数と比較すれば明らかに多く、たぶん釣り人も含まれるだろう。水無川に下りて濡れタオルで全身を拭いてさっぱり。再びダニチェックをしたら足に2か所張り付いていた。ブナツルネ沢でチェックした時にはいなかったので、草ぶれた廃林道で張り付いたようだ。他に張り付いていないか入念にチェックする。川の水は冷たすぎず足を入れると気持ちよかった。

 睡眠不足なので帰る前に車で仮眠。日陰に移動して窓を開けると気持ちいいくらいだったが、お昼を過ぎてPM2時くらいはこんな山の中の沢沿いでも暑いくらいまで温度が上がった。真夏の様相だ。夕方になって気温が下がってから下界へと移動した。

 

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